「三鞍山荘」への道路案内は、森町に入ったら太田川を右に見て上流へ進む。三倉川と吉川の支流がぶつかり、太田川へと流れる。道路はTの字の交差点を左へ、三倉川に沿って約7、8分くると三倉の町に入る。ここにもTの字交差点があり、右、県道63号線本川根方面 へすすむ。ここから4〜5分先に「山荘入り口の看板」がある。右の方へ登ってくると「山荘」が見えてくる。

 「三倉小学校」はこの63号線の入り口の所にあり、三倉川が流れている橋を渡るとすぐ校門がある。春は桜、秋には紅葉と自然がいっぱいの山の中の学校である。生徒数32名、生徒は少ないがいつも生徒達が校庭を元気に走り回っている。

 この学校の生徒が「ジャガイモ」を校外実習で栽培し収穫をした。このジャガイモを使用して、地元のフランス料理店シェフと一緒に「料理をつくろう」という今話題のスローフードの体験学習を行った。1年生から6年生まで総勢32名、保護者のお母さんたち6名が加わってのにぎやかな調理学習となった。私の「おでかけ講演会」と料理教室は数多く行っているが、小学1年生から6年生までが合同で行うというのは始めての体験である。

 1〜2年生は、同行したスタッフが「箸の使い方」や塩味のついた水を「コップ」に入れて、その濃度を当てたり、レモンとかぼすの香りの違いを感じさせるというようなゲームをして味覚の体験をする。 調理体験には、3年生から上の生徒が5班に分かれ、それぞれの班にお母さんが1人ずつ加わる。切り方を説明すると生徒たちはすぐに調理にかかる。


<ポタージュスープとポテトのリヨン風をつくる>

 ジャガイモの皮をむく。小さく切る。玉ねぎは薄切りにする。鍋に、バター、サラダオイルを入れ、玉 ねぎを炒める。しんなりしたら火をとめて、水気をきったジャガイモを入れ、小麦粉を大さじ3杯ふり入れる。小麦粉が野菜にからまったら、沸かしておいた湯を入れる。缶 入りチキンブイヨンを入れ、塩をして、ここで火をつけて沸騰するまでスパティルでかき混ぜながら待つ。沸騰すると「アク」が出てくるので「アクとり」をして火は「弱火」にして煮込んでいく。

 ガス台は2ケ所、1台はスープづくりに、残り1台の方でポテト、リヨネーズをつくる。ジャガイモの皮をむき、4ミリぐらいの厚さに切り2分ほどゆでる。水気をきってサラダオイルを入れたフライパンに入れ炒めていく。色づいてきたら玉 ねぎの薄切り、小さく切ったベーコン、バターを加え、塩胡椒をしてさらに炒める。仕上げにパセリをちぎって入れる。スープは、野菜が煮くずれ、とろみがでたところで牛乳を加え、塩を入れて味を調え、仕上げに生クリーム、バターを入れて風味をつける。開始から約1時間で2つの献立は出来上がり。「試食タイム」となる。

 調理をしている時もそうであったが、上級生5〜6年生が下級生を上手くリードしているため、作業全てが実にスムーズである。もちろん母親が1人参加していただいているのでアドバイスはしてくれるが、作業のすんだ器具を洗い、片付けを全員がチームワーク良く行っている。

 校長先生も加わっての試食会は、アットホームでにぎやかで楽しそうであった。試食が終わるころ「18才の時、月給5千円、中国のシェフから5万円を支払って覚えた『りんごの皮むき』をやります。当時、この5万円は高かったが、教えてもらった技術は一生自分の宝となって残ります。それを披露します…。」「りんごの皮むき」は、この日のラストショーとして、おおいにうけた。代表で5名の生徒さんから感想とお礼の言葉、そして全員による大きな拍手をいただいて学校を後にした。

 この山荘の小さな学校には、先生のご指導がよく行き届き、それぞれの生徒がお互いに助け合い、認めあっているのだ。このすばらしい学校が「山荘」の近くにあることを誇りに思う。今度、登校時に出会ったら声をかけて挨拶ができそうだ。地元の子供たちとのおつき合いができ、実に気持ちのよい体験をさせてもらった。